エボーションができるまで(モン・ジュラより)2010/04/26

                
原作名: La Fabrication d'une Pipe de Saint-Claude
著作者: Loup Blanc

こんにちは
サンクロードはジュラ山脈にある小さな村で,世界的にパイプ作りで知られています.
スモーカーに使われるこの道具が賢く思慮深いことを知る人は,暖炉の青い渦巻飾り
の中に,海や空の静けさ,暗示や瞑想かそれ以上のもの,あるいは自己を探求する.真のパイプスモーカーは本質的にはエピキュリアン.『それでは,今を楽しみましょう』

ところで,パイプ煙草を吸うか吸わないかは別にして,サンクロードのゆりかごの中で
どのようにパイプが生まれ育っているか知っていますか?  すべてはBruyèreから始まります.というのも,その木は大変燃えにくいので・・・

bruyere
ラテン語名”エリカ・アボレア”は,”繁みをもつ喬木状のヒース”という意味で,高さは
6~8mになる.地中海沿岸の周辺地域であれば,どこにでも生えています.

山野のエリカ
南フランスやコルシカで,またイタリアやスペイン,マグレブ諸国でもそれに出会います.

ブライアーの全体像
上の写真は”根”のついた状態のエリカ・アボレアです.より正確にいえば,根と幹との
間にあって”broussinブルソン:(木の)こぶ” と呼ばれている球茎です.これから”ébauchons” が作られます.

root の拡大写真
根を掘りだした後に現地では通常,ブルソンを上のような状態にするための最初の作業
を行います.ブルソンが美しい木片になるまでに,およそ40年間待たなければならない.そして収穫するためには,初めに美しいブルイエールの樹を見つけて幹を切り,根を掘り出さなければなりません. また裁断されるまでブルソンには,水分が残っていることに注意しなければなりません.ブルソンに足が付いていないからと云って人は満足しない.それで表面の土にも注意を向けないといけません.
ブルソンは製材場に到着すると,湿っぽい場所に山のように積まれる.もし偶然それらが乾くと,ひびが入り,もはや価値が無くなるでしょう. ブルソンには毎日散水します.ブリュイエールを切ることは,ダイアモンドのカットに似ている.人はブルソンをどんな風にでも切れる訳ではありません.ブルソンにしてやれること,そしてパイプ製作者が望むものを斟酌する必要があります.

ブルソンの裁断は・・・(以下のように)  
coupage du broussin

エボーションの仕上げ
ebauchons
切りだした木片は水に漬けて12時間煮沸されます.そうすると水分やタンニン・・など取り除く必要のあるものが排出されます.その後,もう一度乾燥場にしまい込む.すると三週間のうちに,”軽い地層”とでも云った木片の山は,カビで覆われるようになります.それからはチーズの水切りのように,木片は6~8ヶ月間,規則的に繰り返し裏返される.この乾燥過程において,それは非常に緩やかな乾燥であるが,エボーションは重量を失ってゆく.これが3番目の作業です.ある人々が道の真中を進まないように,ある木片は否応なく割れるでしょう.損失は避けられないことなので,私たちは,新しく到着した木片が漬けられた水を加熱している火のそばにエボーションを置いて,火の気を絶やしません.

エボーションの乾燥場
乾燥場

 エボーションは最終検査を受ける
最終検査

部分はパイプを大量生産する大工場に向けて送り出されます                 
出荷前
最も上質なものは,全体の10%ぐらいであるが,主要なパイプメーカーに配送される.そこでは,メーカーの威光を保つために選別されるでしょう.

                
-------------------------エボーションの誕生はここまで------------------------
感想: 特別に目新しいことは書かれていないようです.これはあくまで”海賊版”なので,正しい和訳は皆様に委ねます.
Photos ⓒ René JV - 22 juin 2006

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