煙草パイプのクリーニング#3_3 レトルト法(加熱の仕方)2016/05/11

試薬ビンには危険等級Ⅱ、火気厳禁の表示があるーことに気付いた。
エタノールの沸点は 78℃付近  にあり、水の沸点は100℃くらい。

『引火物に火気を使用する』は『禁煙室で煙草を喫う』行為に似ていて、成功しても何となく気不味さが残るので、ここは実験室での手法に倣い
火気不使用』⇒『熱源は熱湯』。

わが家の台所ででもできる簡単な代案を考えます。
換気扇の下で;
①エタノールを沸騰させ熱い蒸気がほしい場合 ⇒電気ポットの湯気を利用。
②風呂なみの温い蒸気(40℃くらい)でよい場合 ⇒どんぶり一杯の熱湯を利用。


『今後、このように作業します』例;
パイプレトルト
数日来アレコレ考えて写真を撮ったが、その時点では火気厳禁が頭から消えていた
火が出ても安全に処理できるような-と云う方向で考えていました。それでは抜本的な改善策にならないので、次のように変更します;

1)アルコールランプを捨てる。
2)トレイの中の水を捨て、事前に準備した熱湯を注ぐ。
3)温度計を熱湯中に入れて、水温80℃以上の時:フラスコを水面上に、水温80℃以下:湯の中に浸す-ようなやり方で、フラスコ内のエタノールを気化させる。

*レトルト管(二重管式)は考案者の意図を読んで、手持ち。熱くなったら中断。但し水温80℃以下の場合には、割りばし使用も可。
**フラスコ内のエタノールを沸騰させたいときには電気ポット。ポット内の水を沸騰状態にして、挿し口から出る湯気にフラスコの底を当てて待つ。管は手持ち。
***作業台はもっと広くし、もちろん念のためにガスの元栓も締める。

この方式でエタノールが燃えて火事を起こす確率は、
『活断層面が再びズレ動く確率』並みと想像しますが、果たしてどうでしょうか?

訂正:上の2)-3)について(5月20日記す)
 200mlくらいのマグカップに熱湯を入れて試しました。
容器の温度を上げておかないと湯の温度低下が大きく、アルコールの気化に時間がかかります。容器を湯煎するなどした後に、沸騰した熱湯を注ぎ、フラスコを加熱するのが良いようです。マグカップ1杯の熱湯を使う場合には、フラスコ全体を湯に浸けるくらいが良いようです。レトルト1/2容量のアルコールの気化に、熱湯を5回ほど入れ替える必要がありました。二重管を指先でつまんでいて熱さを感じるくらいになる頃に、メタノールを沸騰させることなく蒸気クリーニングが終わります。
 ポットの湯気を利用する場合には、フラスコの底につく水滴を何度か拭う必要があります-ポタポタ落ちるので。

付記:
『指サック』使用時のアルコール蒸気のリーク問題は、輪ゴムで改善できるようです。
レトルト後の例
輪ゴムを切って紐にして、しっかり締め付けると、目視では問題がないようです。

なお上の試行ではガラス管を手持ちして、アルコールランプで加熱しました。指先が熱くなったら炎から遠ざけ、再びゆっくり加熱。アルコール液は沸騰させないで全て気化させ、冷却後に戻った液の状態です。

ボウルには水漏れ予防シールを巻き、アルコール蒸気の影響を少なくできるか試してみました。末端処理には、別に塗装用のシールテープを使用して一巻。ボールの頭には念のためガス抜きのピンホールをハチの巣状に。

エタノール量が少ないこともあり、効果はありそうに見えました。
テープの巻きが緩いと、侵入した温アルコールが滞留し、逆効果が生るかも知れない。
(そこで水和させると、ますます酷い事態、取り返しがつきません)
 
あとがき:
 今春から非喫煙者の息子は地域消防団員。『高齢者予備軍の親父が台所の隅で火遊びに興じる』はいささか具合が悪い。わずか数mlのエタノールを蒸留するだけの内容としては少々大げさになりました。これでGW2016のパイプクリーニングは終了です。