300年史#00: 本書の構成について2011/10/09

以前の記事(図6.)で、目次の様子をお目に掛けました。
具体的な内容に入る前に、全体の内容構成を目次に即して紹介します。

内容を簡単に述べれば、主要な舞台はルーラRhulaシュヴァィナSchweina
登場するパイプは、差し込み式の陶製パイプGesteckpfeifen、メシャム、そしてブライアー。3種のパイプ(各論)の内では、メシャム関係が詳しい(30頁/全128頁)。
陶製とブライアーパイプ関係は合わせて約40頁。
                           
ドイツの伝統的なパイプ
図1. ドイツの伝統的なパイプ3種         (Otto Pollner:1997. p6 より転載)
        『3つの異なったメシャムパイプ、1900年頃にルーラで作られたものである』

【タイトル】パイプ職人たち "Die Pfeifenmacher"
訂正; 前記事でタイトルのPfeifenmacherを ”パイプ工場” と読んでいましたが
今後は語義通り ”パイプ職人” と訳すことにして、前記事の一部を修正しました。)

【目次】 大見出しは目次では13に分れているが本文は以下の2~10、( )内は頁数。
 1.緒言(2)
 2.予備的な考察(7)
 3.歴史概要(33)
 4.パイプの様式とその製作(16)
 5.メシャムパイプ- ルーラーの特殊性(30)
 6.ルーラーにおける付属品製造業(7)
 7.チューリンゲンのパイプ産業における種々の経営形態(10)
 8.1840~1912年間の作業状況と社会構造(3)
 9.古い時代の宣伝(11)
10.チューリンゲンのパイプ産業の衰退原因(3)
11.年代表(3)
12.参考文献(1)
13.人物及び事項索引(2)

多くの章に付けられた小見出しは、今回は省略します。
 

休憩・・・ ルーラRuhlaの名所;
St.Concordia
図2. 聖コンコルディア教会(der Kirche St.Concordia),Otto Pollner:1997. p15より転載.上のリンクは同教会のウェブサイト、英語版あります。引用した写真は以前はゴータGohtaに属していた急斜面からの眺望だそうです。グーグルマップでは、ゴータはルーラの東北東約25kmに位置する。背景の地形はサンクロードに比べると、険しくないようです。丘陵地という印象。

Ruhlaの古い屋並み
図3. 1935年当時のルーラの屋並。Otto Pollner:1997. p12より転載.本文で取り上げた"Chr.Schütze Schöne"パイプ工場の建物が写っている。

ルーラ郷土史博物館
図3. ルーラ郷土資料館(Heimatmuseum),Otto Pollner:1997. p11より転載.『1906年の創立。近年の大規模な改修に際して、貴重な展示品が追加購入されている。熱心なパイプ愛好家にとってここは訪れる価値があります』
    
”ハイマート・ムゼーウム”は、最近の日本各地の市町村でよく見かける”郷土資料館”や
”歴史館”のようなものでしょう。館内の様子が写真で紹介されているので転載します。

入口と轆轤
図4.左;館長のハイケ・ヘルヴィッヒ夫人、入口に旅行客用にパイプが掛けてある。
右;足踏み式のパイプ製作用轆轤(ろくろ)。Otto Pollner:1997. p12より転載.

小型の轆轤
図5.左;パイプのボウルを作るための古い小型轆轤(ろくろ)、Otto Pollner:1997. p14より. 右;ときどき絵が描かれた陶磁器のパイプボウルが焼かれた(写真右側に焼成窯)。写真の左後ろにあるのは”絵付け”用の作業台だそうです。

輸出先
図6. ルーラ製パイプの輸出先として資料館に掛けてある世界地図(Otto Pollner:1997. p14).カムチャッカ半島に伸びている線は、日本のつもりか? グリーンランドに伸びる線は意味不明。
                                                                                                                ( 続く )


余禄;
9月下旬、道を間違えて辿りついたところは、岐阜県大野郡白川村。
初めて見た合掌造りは、案外小さく感じました。
岐阜県旧荘川村

合掌造り