洪水とダム#01 - 主に丸山ダム ― 2018/07/18
7月18日 連日の酷暑にうんざり
6月29日、梅雨末期の豪雨により清流・飛騨川が濁流に変わった。それで岐阜県美濃加茂市地内では、飛騨川からの上水用の取水を一時中止せざるを得なくなり、多くの家庭が”断水”に見舞われた。
このニュースを家内から聞き、翌30日の夕方に「濁流の様子」を見学に出かけました。私の生活圏にある主要な河川と地勢を、下に写真で示します。今日の話題は、木曽川と飛騨川にある大きなダム付近の、川の流れに関することです。
平成30年6月30日ー 川の様子
今渡ダム付近;平成17年の年賀を参照。
今日の撮影地点は”新太田橋の歩道”、ダムより約500m下流に位置します.
下は望遠レンズを通してみた様子。
丸山ダム付近;
丸山ダムは戦後の河川総合開発事業により建設された。今回取りあげる6か所のうちこのダムだけに洪水調節機能が持たされている。
丸山ダムによる治水は、下図のように計画されています。
三つの図を、下から逆順に参照することします。
【予めのお断り】
以下の文中には ㎥ が頻出します。画面では平方メートルに見えますが、総てを立法メートルと読んで下さい。/secまたは/sは、言うでもなく 毎秒=1秒当たり の意。
図3.3.1.5で、有効貯水容量約3,800万㎥の内訳は、発電用が約1,800万㎥で、残り約2,000万㎥が洪水調節に充てられていることが分かる。
次に、図3.3.1.4にはダム地点の流出曲線が示されている。縦軸はダム地点を通過する流量㎥/s、横軸は経過時間です。折れ線グラフの頂点は最大流量で、6,600㎥/sec。最大流量の値は、上流にある大井ダムにおける昭和6~26年間の実績最大流量から百年超過確率の流量を求め、流域面積比によって換算した値-だそうです(本文引用)。
この図で横破線の縦軸値は、実際にはダム放流量の最大値に相当します。破線から上の”三角形部の面積”は、ダムの上流に一時的に貯め込み後に緩やかに流される洪水調節容量に相当します。この図から洪水調節容量を、アバウトに算出してみます;
高さは、1,800㎥/s 。 底辺(破線)は洪水時間で、目盛り値から15~22時と読めば、7時間×3,600秒。三角形面積は、底辺(7×3,600)×高さ1,800÷2=22,680,000㎥/sなので、そこそこ2,000万㎥に近い値が出てきます。
この洪水流出モデル図は、どう見ても軽く見えてしまうグラフですが、実は重要かつ深刻な意味があります。つまり三角形の底辺に相当する洪水時間が長くなるか、高さに相当する流入量が大きくなると、現実世界では・・・ダムから洪水が溢れる可能性がある-を暗示しているからです。
最後の図3.3.1.3は、木曾川治水の基本構想を表す重要な図です。
この図は、『下流の愛知県犬山に設けられた”基準点”において、基本高水のピーク流量14,000㎥/sを12,500㎥/sに低減したい』。それを実現するためには、『丸山ダム地点を通過させる洪水(最大放流)を4,800㎥/s以下に抑えたい』と云う内容を表している。図中の4,800㎥/sは、河川全体の”水の収支計算”から計画決定される流量で、この大きさを基にしてダムの最大放流量と必要な洪水調節容量が決まる。ダム計画は、三つの図を正順に辿ります。
注:図3.3.1.3で、丸山ダムの計画時点では、飛騨川の洪水は暴れ放題のようです。現在は、馬瀬川に岩屋ダムがあります。木曽川筋では丸山の建設当時には、洪水を抑制するダムは皆無でした。丸山の後に、王滝川に牧尾ダム(愛知用水の主水源)が、次いで阿木川に阿木川ダム、木曽川源流域に味噌川ダムがそれぞれ造られました。現在の木曽川治水は、4ダムと河川堤防の組み合わせで構成されています。
以上は木曽川筋に造られているダムの話でした。
次は今回記事の主目的である、飛騨川筋にある川辺ダムです。
飛騨川は今渡ダムから約800m上流で木曾川に合流する。蛇足ながら、木曽川筋の発電の水利権は関西電力株式会社が、飛騨川筋は中部電力さんが、独占的にお持ちです。
川辺ダム付近;
このダムから50~60km上流域に位置する飛騨市下呂~萩原付近で、先日の集中豪雨によって斜面崩壊が多発し、飛騨川本流に泥水が流れ込んだために、普段見慣れた洪水時よりも濁ったと聞きました。確かに木曽川よりも飛騨川の方が濁っていました。(続)







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