2018年紅葉と湖に親しむ季間#01-比奈知ダム2018/11/04

 今年の秋は、例年と違って近畿の中南部に出かける機会が多く、帰りにはときどき道草をしています。 

10月27日(土曜日)
比奈知(ひなち)ダム;淀川水系名張川(三重県、水資源機構)
ダム概要は木津川ダム総合管理所を参照 water.go.jp/kansai/kizugawa/index.htm

 比較的新しいダムなので、それほど興味がある訳ではないが、土曜日でもダムカードが頂けるという…訪問時にはあいにく、事務所は巡回中で留守、「今日は先負」…
 コンビニへ昼飯を買いに行こう車に戻ると、ウィンドウ越しに;
植え込みの中に、何かある(赤矢印)」…
植栽の中の伸縮計

貯水池側を覗くと; 白矢印は塩ビパイプのようです。
貯水池法面の伸縮計
植え込みから法面下方へ10mくらい伸びている。
斜めに見ると、向こうの方に、別のもう1本が見える。
比奈知ダムの左岸上流部

 塩ビパイプはおそらく、”保護目的”のもので、中に細いワイヤーが張ってあると思います。繁みの中の”箱”は、”伸縮計の測定器”が収まっていると想像します。伸縮計が何かについては、グーグルなどで検索してください。
 伸縮計の配置は下のとおりで、ほぼ同じ長さで平行に設置されている。
比奈知ダムの左岸上流の様子

 ところで、駐車場から貯水池側の法面で伸縮計が設置されている範囲には、まだ緑の草が生えています。その下方は枯草。この枯草の部分が、堤体沿いに貯水池の中の方まで続いている;
比奈知ダムを左岸から右岸を見る
  この緑と枯草の生えている部分は”盛土”ですが、”ダム平面図*” でここには等高線が描かれている。道路と駐車場は、元々は切土造成の計画だったらしい。
*ダム管理所で配布されている概要書に、ダムの三面図がある。
 
 それはさておき、傾斜計の箱のような小さなところにまで気配りがなされたダムなので、外の個所も推して知るべしで、きれいなダムです。

 上の写真でも分かるかもしれませんが、天端の高欄部には橙色*の磨いた岩石が使われています;
比奈知ダム高欄
  遠目に見ると「バブルの象徴!ラパキビ」ですが、近寄ると「普通の花崗岩」に見えます。ラパキビはバブル時代*に北欧やインドなどから輸入されて、建築石材によく使われました。「堤体の装飾にラパキビは悪趣味」で「好みではありません」が、「これならまぁ、許容範囲か」。

注記:
* この色はカリ長石の示す色です。カリ長石は普通は白色。ときには上のような色調を示し、 しばしば”桃色” とか ”ピンク色” と表記される。ここは濃く、量が多い!
* 本体打設は平成7年に始まり9年に完了。石材の入手はバブル後ですが、国内で調達するのは難しいでしょうから、多分、輸入石材でしょう-最近は、国産が高い!
追記:大島ダム(愛知県、豊川水系宇連川の支流大島川、平成9~11年・水機構)にも、同種の花崗岩があった。当時はその種の石材が流行りだったのかも知れません。

お断り:
デジカメのホワイトバランスの設定を間違えて、写真の色がおかしくなりました。ソフトで修正を試みましたが、なかなか難解で… どうにもなりません。花崗岩はもっと濃い色だったかも知れません-初見の印象は「真っ赤!」