木曽前岳~麦草岳(上松Bコースの一部)2012/08/21

山靴ほか小道具類を引っ張り出す.何処に行くか.人気が少なくて静か,初心者同行でも無理のない処・・・木曽駒(2,956m)への福島Bコース.

8月16日(晴れ時々曇り)
木曽駒高原スキー場(9:30,1,350m) ⇒7合目避難小屋(15:30,2,400m)

(地形図:国土地理院1:25,000木曽駒ケ岳S62)
 登り始めると,テントまで担いだこともあって汗だく,心臓バクバク,膝ズキズキ・・・ 途中から息子を先行させ,避難小屋(図1)に辿りついたところで,進む気力が失せる.とても綺麗な避難小屋(水洗トイレあり)を別の二人パーティーと計4人で独占しました.
木曽駒
図1. 木曽駒ケ岳西方の地形図

御嶽山の夕暮れが綺麗で(写真1),明日は午前中は天気がよさそうで一安心.
小屋泊まりは快適ですが,古傷の膝じん帯の痛みで,湿布を貼って寝たり起きたり.
御嶽山の夕暮れ
写真1. 7合目避難小屋からみた御嶽山


8月17日(午前中晴れ,昼頃から少雨一時雷鳴)
避難小屋(5:10) ⇒ 玉ノ窪山荘(7:30頃) ⇒木曽前岳(9:00)⇒牙岩⇒麦草山(14:00頃)福島Aコース6合目見晴台を経て避難小屋(16:00)
 ⇒4合半水場(泊,19:00)
 家を出る時には『宝剣まで』の予定が,足の調子が良くないので,駒ケ岳までとして出発.行動食と火器,雨具とツェルトを背負って出発.樹林帯を抜けるまでが予想外に長い! ”山姥”の手前で駒ケ岳の北斜面が見えてきました(写真2). 
木曽駒
写真2 木曽駒ケ岳の北面(スカイライン右端の鞍部に玉ノ窪山荘)

 山姥から8合目の水場付近にある無数の巨礫の間には,僅かに残雪がありました.草や木の葉に降りた朝露のせいで,カールの末端に着くころにはズボンがずぶ濡れ.なんとか玉ノ窪山荘のある鞍部(2,756m)に到着.宝剣から空木までが見渡せて大満足!
宝剣岳
写真3 木曽駒-宝剣岳主脈の木曽谷側

  花崗岩にハイ松の緑は良く映えますね(写真は冴えませんが(笑).   ここの花崗岩は”領家(新規)タイプ”かな?スキー場から幸川を渡って直ぐの急登はスレート(粘板岩),4合半の水場は花崗岩でした.

 コル(鞍部)からの景色を堪能すると,山頂までの200mが面倒に,山頂は次回でもイイか.来た道を再び衣服を濡らしながら帰りたくないので,木曽前岳(2,826m)に登って麦草岳(2,733m)までの上松Bコースを偵察.午前中は天気も良さそうだし,遅くとも昼には麦草を踏み,14時には避難小屋に戻れるだろう・・・
木曽前岳から麦草岳
写真4. 前岳山頂の200m西方から北西方向に麦草岳を望む
                
 前岳~麦草岳間の西斜面(北股沢)は崩壊が激しいですね.縦走ルートは東側斜面寄りに這松~お花畑の中を通っています.上松Bコースと名付けられた正規コースですが,あまり踏まれていないようで,ハイ松の枝は伸び放題.草本も繁り,部分的には藪こぎをさせられました. 牙岩(写真5)の先向こう側に5m位の朽ちかけた木製梯子が1個所,随所に古くなったトラロープが張ってあります.麦草岳の登りに掛る頃から小雨になり,駒ケ根の方から遠雷が聞こえた.
牙岩
写真5. 牙岩(木曽前岳側から)             
一休み
写真6. 牙岩(麦草岳側へ越えたところで振り返って一休み,右が木曽側)
お花畑
写真7. 牙岩と麦草山の中間付近(だったと思います)のお花畑. 草で隠れていますが,獣道よりはハッキリした踏み跡があります.
                
  この一山を越えるといよいよ麦草岳の登り.この後,小雨模様に.
  麦草岳の登り2600m付近から駒石(2,721m)を経て,上松Bコースの分岐(2,600m付近)までハイ松帯を歩きます.分岐から福島Aコースの6合目見晴台までは樹林帯.尾根筋200mの下りには,最近のひと気がありません.たまに梢に古い赤テープがついているくらいです.
 7合目避難小屋までのトラバースコースは随分長く感じ,午後4時到着.雨は上がっていました.予定を2時間超過しましたが,一度もコケさせることなく戻れたのでまずまずと云う事で.
雑炊を作って腹ごしらえをしてひと眠り.このままもう一泊しようかとも思いましたが,連れが下山できるというので,5時過ぎに出発・・・ 2時間かけて600mほど下りましたが,膝じん帯の傷みがひどく,4合半の水場でビバーク(予想通り?)に.登山道にテントを張って幕睡(笑)
 28歳の11月でタバコと行楽登山を封印して以来,30数年ぶりの登山でした.生業がフィールドワーク(山師とも云う)だったこともあり,トレーニングを全くしないでも案外行動できました.しかし問題は,かつてほど早く歩けなくなっているのに,時空間感覚は昔のママであること.現在の自分の登下行速度を客観的に摑まないと,この先危ない(もし今後も,登るとすればデスが).  地図読みも狂いました(そもそも2万5千分図など仕事では使わないので). <むかし取った杵束>,停年頃から山を再開する方が増えているようで,中高年登山者の事故と遭難が激増中とか・・・
  どういう登り方をするのが良いか,目下思案中.