PS雑記:タバコの煙を通す木材 ― 2010/01/07
木材科学講座2”組織と材質”(古野毅・澤辺攻編,1994,海青社,p69)というまじめなテキストのコラムにウソのような写真が引用されていた。下がそれ。
左手で支えている棒状の木材は、周囲から空気が漏れないようシールしてある。右手が握っている15cmくらいの区間は継ぎ足したマウスピースのようです。実験者の頬の膨らみから見て、かなり圧力をかけているようです。
写真<山下晃功編(1993)”木材の性質と加工”開隆堂,P37>
コラムの解説によると、乾燥した広葉樹の道管は、中が空洞になっているので煙を通しやすい。しかし道管の中にチロースが発達すると、通路が塞がれて水分も煙も通さなくなる・・とありました。その代表例がホワイトオーク材だそうで、ワインやウイスキーの樽材。
チロース(tylosis, tyloses)とは、下図のようなもの。 道管の通導機能が衰えると、道管に接している柔細胞が壁孔を通して内腔に膨れ出し、泡状(クリ、ほか)あるいは隔壁状(ブナ、ホオノキなど)になって、道管を閉塞する。この膨れた部分を云う。と解説してあります(一部略)。
写真<木材科学講座2”組織と材質”(古野毅・澤辺攻編,1994,海青社,p67)>
パイプ用のブライヤーは、老大木であれば透気性が高くなるだろうと勝手に想像していたが、このような内部変化が起こっていると、<枯れていれば良い>なる単純な推論は成り立たないですね。
また木材の通気あるいは透気に関する<異方性>について、一般に次のような知見が得られている。 -後日に-
パイプ用のブライヤーは、老大木であれば透気性が高くなるだろうと勝手に想像していたが、このような内部変化が起こっていると、<枯れていれば良い>なる単純な推論は成り立たないですね。
また木材の通気あるいは透気に関する<異方性>について、一般に次のような知見が得られている。 -後日に-
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