2018年森と湖に親しむ週間#05:殿ダム ― 2018/08/27
8月20日:殿ダム(袋川、千代川水系)
鳥取駅前から、袋川に沿った県道31号をのぼる。ほどなく、国府町庁と云ういかにもそれらしい地名の所に、<大伴家持の歌碑>標示があって、道草。狭い橋を渡って駐車場に着くと、それがあった。
【たちわかれ いなばの山の峰におふる まつとしきかば 今帰りこむ】(859?年*)
聞いたことある…しかし、らしくない、立看を読む、行平の歌碑だった。
家持は何処だ?-振り返ると、巨木に寄り添うように大きな石碑があった。
【新たしき 年の始めの 初春の 今日降る雪の いや重け吉事】(759年1月1日*)
注:*は、立看の解説によります。
入口には(写真の右外)
佐佐木信綱【ふる雪の いやしけ吉事 ここにして 歌いあげけむ 言ほぎの歌】
の歌碑もある。
山根集落付近の袋川の様子です。左側の山の向こう側に、殿ダムがあるはず。
左岸の付替え道路を上ると、山崎城址案内板-まったく! 寄り道に事欠かない。
城址への入り口は、舗装されてはいるがクズとカヤが通せんぼしている。車から鎌とカメラを持って、登る。山道沿いのカットには安山岩質溶岩とおぼしき岩石が露出している。土塁?らしい鞍部の先の頂から、堤体右岸とダムの管理棟が見えた。
気温35度の炎天下でひと汗かいた後、そのまま湖岸道路をトロトロ走る。
此処で家持風の一首をひねり出そうとしたが、汗ばかりが流れて、歌どころではない。
道路際の東屋で昼寝。
再出発して直ぐ先の切通し法面(湖側)に、<白いすだれ>が見えた。
湖岸道路を右岸に廻る。堤体の袖から山崎城址を望むことができる。
袋川は沖積平野にまず古代が現れ、山間に入って直ぐに中世の山城があって、さらにその上流に現代が展開する。遡るにつれて時代が新しくなる。
このダムは、家持の歌のように千年後まで生き永らえることができるだろうか。
最近のコメント